こんにちは。TSUGUTE.sagaeの石井です。今日は、「断熱材」というテーマで私の考えをお伝えさせていただきます。
やっと見つけた断熱材 それが木質断熱材
今、自宅を建設予定のため自宅で様々な建材を試すべく調査を進めています。その中で数年前から採用を決めている断熱材があります。それがドイツGUTEX社製のECOボードという建材です。本当は国産で良いものがあればと考えていましたが、国内ではスマートパワー株式会社という、神奈川にあるNice(建設・不動産会社)の子会社で販売しているものもあるにはありますが、充填断熱(柱と柱の間に入れる断熱)はあるものの、外断熱(壁の外壁側に入れる断熱)用の建材がないため、ドイツ社製の製品にしたいと考えています。
この建材の優れている点は、以下の4点です。
原料に接着剤をほとんど使用していない。
原料が木材で、その製造過程で接着材をほとんど使用していないそうです。断熱材を木製にすることで、外側から外壁→断熱→内壁の中に樹脂の部分を一つもはさまずに施工することが可能になります。
熱の通過に時間がかかる
温度伝導率(壁の中を熱が伝わる性能:長いほど温度を伝えにくい)に優れていて、同じ熱伝導率(壁に入った熱に対し室内に出てくる熱:数字が低いほど熱が伝わりにくい)の断熱材に比べて、熱が入ってくるのに時間がかかる。とよく意味が分からないと思いますが、以下のような状態となります。
例えば、下記の2つの断熱材を比べた場合
・木質断熱材: 温度伝導率12時間 熱伝導率0.038W/m・K
・発砲ウレタン:温度伝導率2時間 熱伝導率0.024W/m・K
木質断熱材のほうが熱伝導率は高いため外からの温度を通しやすいことがわかりますが、温度伝導率が6倍と長いため、例えば夏の昼間の熱い時間に室内が熱くなりません。結局、特に真夏に関しては熱が伝わる前に朝と夜になってしまい、この山形の風土のように昼間はとにかく暑いけど、朝夕はそれなりに涼しい地域では熱が伝わる前に涼しくなってしまいます。つまり熱の通しやすさだけでなく、熱が通るのにどれだけの時間がかかるかというのも重要な指標となるのです。しかし、日本ではこの時間のことについて基準や評価指標がない状態で、木質断熱材を使用する業者はかなり限られている状況です。
結露が発生しない
ここが一番重要なポイントとなります。この木質断熱材を使用する場合は、施工方法として防湿気密シートを貼りません。それによって湿度は常に壁の内外をゆっくり行き来している状態となるため、壁内部に湿度が留まらず、内部結露(壁の中で結露が発生し、断熱材や構造材を痛め、カビの発生にもつながり、最も避けなければいけない状況)を防ぐことが可能になります。この施工方法を最初に見たときは、それでも熱橋(温度が伝わりやすい断熱の弱点の部分)部分などに結露が発生し壁内に流れてしまうのではないかという疑問がありましたが、構造材の木材も熱を伝える性能はほとんど同様(断熱も構造も木材なのでその通りかもしれませんが)で熱橋となる部分も正しく施工すれば発生しない。むしろ室内の湿度が溜まらないため、どちらかというと室内は乾燥側に傾くと言う事でした。
燃えない
木質の断熱材なのでいかにも燃えそうですが、外張り断熱は防火認定を取得していて、材料自体は燃えないと言う事でした。また強引に燃やしたとしても焚火のような白い煙で化学物質を燃やした時のような黒い煙(有毒ガスを含む)にはならないそうです。更に最近のZEHなどに対応するため、設ける必要のある外壁の通気層を取らないことで、通気層で火事がより激しくなってしまう、通気層煙突火災の防止にもつながると言う事でした。
このように断熱材としてその性能や環境負荷を考えたときに、現在、最も優れている材料は木質断熱材だと考えています。
とはいうものの、私もまだこの断熱材をまだ使用したことがないため半信半疑というのが今の実態です。そのため先ずは自宅で試してみて、自分が人柱となりその効果を確認したうえで広げていきたいと考えています。今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。