今日のテーマは、「目指したい家」について解説、私の考えをお伝えさせていただきます。
私の考える目指したい家とは、長く住み続ける事のできる住宅(具体的には200年間)です。結論から言うと、それは接着剤と樹脂(プラスチック)を使わない住宅だと考えています。
家を長く使う
私は関東大震災の2年後に建った築ほぼ100年の住宅に住んでいました。また建築の仕事をしながら新築から築15年50年70年の住宅も多く見てきました。その中で感じる事は経年劣化するものと変わらないものがそれぞれあるという事です。
本当に日本の住宅寿命は短く、木造住宅では26年しかありません。アメリカの住宅寿命でさえ50年で、日本同様に木造が多いドイツでは79年となっています。この事を引き合いに出すと日本は高温多湿だからという切り返しをよく聞きますが、同じ木造住宅でそんなに経年劣化がはやいのでしょうか。
実際、100年前に建った私の家は、もう住めないかと言うとそんな事はありません。柱や梁などは木材の表面もツルツルしていて、まだ50年100年ともつのではないかというぐらいしっかりとしています。また屋根は総日本瓦で重量が重たく頭でっかちなのですが、幾度の地震でも家は潰れず(東日本大震災含めそろそろかなと思った事は何度もありました汗)、基礎も土台の木が「玉石基礎」と言う石ころの上にのっているだけなのですが、100年経っても石のうえにきちんと乗っていて、ビー玉を床に置いても転がりません。またガラスや鉄部に関しても、しっかりと光を放ちまだ何十年も使える状態でその形を留めています。
東京の高温多湿の中で100年建った木造住宅でも木は朽ちていませんでした。ただ経年劣化は無いかというとそんな事は無く①雨が当たって湿って乾いてを繰り返したりしてる、又は常に湿っている木部②日にあたる場所。この2つの条件が合わさると劣化は進み、流石に新築から使用していた南面の2階の窓は木が痩せて隙間風がピューピュー入ってきている状態でした。
あまり使いたくない新建材
ただ家の中にも極端に朽ちてしまっている部分がありました。それは30年前に私の両親が祖父母と2世帯住宅にするために和室から洋室にするために敷いた複合フローリング(何層も木を重ねたフローリング⇆無垢フローリング)がバリバリに剥がれてきてしまっていたこと。同じタイミングで新設した洗面所の床のベニヤの腰が抜けてしまっている(ベニヤがブヨブヨ)状態になってしまった事でした。原因としては、太陽光や湿気によって接着剤が剥がれてしまった事が考えられます。
また私は50年以上空調機を販売していた会社にいて、主に20年以上経った古いものを新しいものに入れ替える仕事をしていましたが、新しいものほど樹脂部か多く、それに比例してこわれやすくなっていました。
この結果からも、日本の住宅を短命にしているのは樹脂と接着剤です。またこの事は大手ハウスメーカーや建材メーカーも気付いていると思います。その上で利益構造から新築市場主義に走るしか道を選べないため見て見ぬふりをするしかないのかもしれません。
少しでもこの市場の問題が解決できればと考えて日々設計に取り組んでいます。今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。