窓へのこだわり

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窓に何を求めるか

こんにちは。TSUGUTE.sagaeの石井です。

今日は「窓」というテーマについてお話したいと思います。窓は住宅を構成する部材の中で、生活環境を作ったり、家の満足度を決定する上でとても大切な部位になります。例えば、大きな窓は開放的な空間を作り出し、明るい部屋を作る事が可能です。一方で断熱性能や、パッシブデザイン(自然風や太陽光を熱としてエネルギーを取り入れるデザイン手法の事)を考えた時には大きな窓は弱点となるケースも多く設計としても注意が必要です。

日本は窓後進国

日本は諸外国に比べ窓の後進国で、国内メーカーの窓はその断熱性能が低く、今でも公共の建築の9割、住宅でも新築の2割で枠には断熱性能の無いアルミで窓枠を作った製品が採用されています。この枠の断熱性能が低いとガラスを重ねたりしても枠部分から大きく熱を失ってしまうため、枠が何から出来ているかという事はとても重要です。
窓枠から逃げる熱とガラスから逃げる熱の通り難さを合せて表したのが「熱貫流率」といいます。この数字は小さい方が優れていいるため、多くの国で上限値が規定されていますが、実は日本では何も規定されていません。そのため海外に比べて性能の低い窓が何の制限もなく売られているのが実情です。

最近流行りの樹脂もおすすめしません

最近では樹脂枠の窓の採用率が上がって来ましたが、住宅を長い目で見た時に紫外線による劣化が大きい樹脂が、50年〜100年と本当にもつのか少し疑問です。私はどんなに性能が高い樹脂も太陽光にさらされれば良くて30年程度で割れ等が発生してしまうのではないかと考えています。窓の素材を考えたとき、何十年も何百年も長くもって、取替も出来る素材は何か、と考えると私の中では「木」の一択となりました。

取り付け方にも種類がある

更に取り付け方にも種類があって、日本で戦後採用されている「半外付け」と呼ばれる設置方法は温度を伝える「熱橋(ねつきょう)」と呼ばれる、断熱の弱点を作ってしまいます。少し雨仕舞いは複雑になりますが「内付け」と呼ばれる付け方の方が熱の伝え方としては優れていると言われています。

自宅にはドイツ製木工サッシ

そこで家の計画では探しに探しました。国内の個人メーカーから海外メーカーまで探して、性能価格を考えて、最終的に自宅での採用を決めたのは、性能は最上級に近い中で費用が割安だったGermanWindowと言う、その名の通りドイツ製の木サッシを採用する事にしました。そのうち詳しく書きたいと思いますが、先ずは現在計画中の自宅にて採用して、その性能や施工等を確認したいと思います。

本当は山形での地産地消が一番

それ以外にも最後まで候補に残っていたのは、同じ山形の中でも米沢で作られている木製サッシです。3枚ガラスを採用し、断熱性能を示す熱貫流率も国内最低レベルです。また半外付けではなく内付けと呼ばれる熱橋を作らない構造で、更に県産の木材を採用しているため、この寒河江での利用は木材の弱点でもある材料の狂いや反りも少ないと考えました。ただ、性能がドイツ製のサッシより低く、値段がドイツの1.5倍だったため、最後の予算とのすり合わせの段階で諦めてしまいました。もし、もう少しサッシにかけられる余裕があれば、米沢製を採用していました。

24年7月にはYKK AP・LIXILから木製サッシ発売

また、自宅の確認申請後(もう窓の変更は難しい段階)に知ったのですが、国内2大メーカーのLIXILとYKKAPからも遂に木製サッシが発売されました。木だけが最適解では無いと思いますが、米国で32%、ドイツで14%(それぞれ21年)、日本0.3%(23年)とかなり普及が遅れていましたが、これで一気に巻き返しを図れるかもしれません。

築100年の実家は木製サッシ

当たり前かも知れませんが、築100年に近かった実家は木製サッシでした。ただ隙間風がビュンビュン入り、それに合わせて「バタバタ、ガシャガシャ」ととても大きな音をたてて揺れていて、風の強い日はとても怖かったのを覚えています。その当時と最新のドイツ製の木製窓がどれだけ違うのか、先ずは現在計画中の自宅にて採用して、その性能や設計等を確認したいと思います。本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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