こんにちは。TSUGUTE.sagaeの石井です。今日は建物は200年もつのかと言うテーマについて書いて行きたいと思います。
想像して下さい。あなたが使用している、今触れているものの中で200年使っている(又は使えそうな)物はどれだけありますか。
建物を200年使う事はなかなか難しい
パッと見渡してあまり無いのが実情だと思います。私は住宅・建築に関しては環境に対する影響や、親族への資産を残すためにも200年保たせるべきだと考えています。じゃあ今、街で見かける建物が200年保つのでしょうか。それも私は難しいと考えています。今日本の住宅は平均の建替年数26年と海外に比べても非常に短寿命で、身の回りの物がビニールや樹脂化されてきているなか永く保たないものになってきてしまっています。一番構造が強いと言われる鉄筋コンクリートだって、一度長崎の軍艦島に行きましたが、過去の基準で建てられたとは言え日々至るところで崩落などが発生し鉄筋が露出している箇所も何箇所もあり、築100年で全く人が住める状態ではありませんでした。
実際に200年使われている建築とは
それでは逆に200年既に残ってきた建物は何でしょう。それは寒河江にもたくさんあって蔵と神社仏閣です。どちらも木造で、お寺によっては大変高級な材料を使うこともあるかもしれませんが、特に蔵は一般に住宅に使用する様な、場合によってはそれよりも雑多な木材・建材を使用し造られています。また蔵に入った事がある人は分かるかも知れませんが冷んやりとした空気と落ち着きのある空間は目指すべき家の状態に近いと考えています。蔵のその内部の状態を創り出しているのが、土を利用した天然の断熱材です。既に泥の断熱材に注目している建築家もいて、厚み300mmを超える壁厚のある住宅が雑誌に載っていました。
最近、本当に異常気象が進む中で、環境に配慮した選択はより重要視されていくと思います。200年という時を考えながら、永く保つ物。壊れない物。壊れても補修出来る物。これらの物にこだわって住宅の設計という仕事の中で選択していきたいと思います。